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by tascatasca
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Intermission

皆様こんにちは。未曾有の2008年の年末はいかがお過ごしでしょうか?

さてこの12月に入ってからというもの「DIG MY STYLE」という
あからさまなタイトルをつけて当ブログに書きなぐっておりますが、
そもそも、僕の場合、大抵は長い文章を書こうと思うときは
文頭と結末に関しては書かないまでもある程度思い描いてから
書き始めるというのが常なのですが、えー所謂「さいとうたかお」氏が
「ゴルゴ13」を書くにあたり、はじめに最終回を書きあげたというのと
同じだとは言いませんけど・・・
結末が見えているからこそ途中予期せず右往左往しても何とか予定した
結末に着地させることが出来るというものなんですが・・・
今回の場合は勢いあまって書き始め、更に書いているうちにどんどん
あっちへ行ったりこっちへ行ったりしているものですから、自分でも
これからどうなる事やら予測不能な状態で、一体いつどうやって終わるのか?
なぜなら「秋山一将」という人は、会えばその回数分、思わず書いて皆さんに
お知らせしたくなるようなエピソードを毎回巻き起こす人物だからでございまして、
変な話、その一つ一つを全て「DIG MY STYLE」という作品の発売に至る経緯
として関連付けて書くことなどいかようにも出来てしまうわけでございます。
ですから、このままいくと「美内すずえ」の「ガラスの仮面」ばりに長くなってしまうやも
しれないこの「DIG MY STYLE」というブログをどうやって結末に導くかという
重大問題につきまして、この年末年始に可及的速やかに熟慮したいと
かように考える次第です。
本日よりTASCAはしばしお休みをいただきますが、2008年の締めくくりとしまして

僕がネット・オークションでかつてリットーミュージックから出版されていた
「秋山一将ギターテクニック」という教則本をゲットした数日後の会話より

T「秋山さん。こんなものを手に入れたんですが・・・」
現物をみてニヤッとしながらそれを手に取った「秋山一将」本人は
A「へぇーっ、よくこんなのあったねぇ。そうそう、これさぁ、偉そうに
  『著者・秋山一将』ってなってるけど、実際俺は聞かれたことに答えただけでさ、
  ほとんど編集のお兄さんたちが、やってくれちゃったっていう。あはは・・・」
と笑っているので
T「へぇー、そうなんですかぁ。」
と言うと・・・
A「しかし、あなたも変わってるねぇ。」
T「どうしてですか?」
A「こんなもん買って、あんた一体どうすんの?」
T「・・・・・・・・・・・・・」

まだまだ続く、メクルメク秋山ストーリー・・・
今後にご期待下さい。

それでは、来年2009年1月5日までしばしのお別れです。
どうか皆様よいお年を・・・

text by TASCA-T

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by tascatasca | 2008-12-27 15:23 | スタッフのつぶやき
            「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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例の鳥屋の一件から、「秋山一将」という人と酒を飲み、音楽の話に花を咲かせ、談笑し、それは大概、“朝日が目にしみる”時間にまで及び、時には意識が朦朧としながら店のテレビに写る「機関車トーマス」を目にするというあり様の果てに、翌日携帯メールで「昨日は軽くっていって呑み始めたのに、あんな時間になっちまって、全くもってあいすいません。」というメッセージが送られてくるようになるまでには、然程時間はかからなかったと思う。
そもそも「ビートルズ」や「カーペンターズ」が好きだということや、クリスマス・ソングで好きな曲は「ジョン・レノン」は勿論、「カーペンターズのMerry Christmas Darlingは外せないな!それから、クリスマスソングじゃないけど、フィフス・ディメンションのOne Less Bell To Answerはバカラックの曲の中でもかなり好きな曲かなぁ。」というような会話をしたのもこの頃だったと思う。それは更にお互いの気に入った音楽を時折交換して聴くという行為に発展していった。
ある時、第3章でも触れたASKING FOR THE ANSWERを筆頭に「秋山一将」のオリジナル楽曲は、初めてなのにはじめて聴いた気がしない。「デジャヴ」だという僕の印象をご本人に伝えると
A「この間聴かせてもらった中に『Wailing Wall』って曲があったけど、あれ『ニック・デカロ』
  が歌ってた曲だよねぇ。」
T「ええ、オリジナルは『Todd Rundgren』なんですけどね。『ニック・デカロ』のも好きです
  よ。ただ、オリジナルを先に聴いてるからそっちの印象がどうしても強いですけどね。」
A「そうだったんだ。実は僕のデビュー・アルバムをプロデュースしてくれた『星加さん』
  っていうビクターの人が当時『こういうのもあるよ』って『ニック・デカロ』を教えてくれたん
  だけど・・・」
T「そうですか。」
A「その人も同じことを言ってたよ。」
T「何がですか?」
A「僕の曲はスタンダード的な親しみやすさがあって、初めて聴いた気がしないって・・・」
T「へぇ~、そうでしたか。」
A「いやぁ、僕の曲を誉めてくれた人っていうのは何人もいたけど、そういう風に言ってくれ
  た人は、『星加さん』とあなたと2人だけなんだよ。ちょっとビックリしちゃってね。」
T「そうでしたか。知らなくて申し訳ないんですが、秋山さんのデビューアルバムって何て
  いうタイトルですか?」
A「うん。無理もないよね。もう20年以上前のことだし、
  とっくに廃盤になっちゃってるから・・・
  『DIG MY STYLE』っていうアルバム。タイトルも中身も、
  手前味噌だけどよく出来たアルバムだと思うんだけどね・・・」

この度「DIG MY STYLE / 秋山一将」の復刻を手がけた私ではございますが・・・
当時からファンだった皆様に置かれましては、
『何だお前そんなに最近まで知らなかったのか?』
と言われてしまえば身もふたもなく、甚だお恥ずかしながら、
この時が初めて「DIG MY STYLE」、「星加 哲」というキーワードを
インプットされた次第でございます。    つづく

text by TASCA-T

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by tascatasca | 2008-12-26 15:00 | DIG MY STYLE
            「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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例の「僕の選んだメンバーじゃない」事件の日から、半月後だったか、ひと月後だったか、「峰 厚介クインテット」の出演する当日、突然電話口に呼び出される。
電話に出てみると他でもない「秋山一将」からであった。
A「あのぉ、今、お宅の近くの○○っていう鳥屋さんにいるんだけど、もうご飯食べた?
 よかったら、これから来ない?ちょっと話があるんだけど・・・。」
T「ええ、別に僕の方は構わないと思うんですが・・・」
返事になっていなかった。良いんだか、悪いんだか判りぁしない応答をしていた。
A「いやぁそのぉ、今日はそちらに出演するから、勿論後でうかがうんだけど、ちょっと2人
 で話がしたいんですよ。この間のこととかね。それじゃぁ、待ってます。」
有無を言わさず電話を切られる。
正直ビビッていた。遂に来たか、この時が・・・。
あのままで終わるはずもないとは思っていたけれど・・・。
休み時間に不良グループに校舎の裏とか屋上に呼び出されるいじめっ子の気持ちとはこういうものなんだろうか?などと思いつつ、足早に近所の鳥屋に向かう。

程なくして店に着き、秋山氏と対面に座る。注文を済ませ、コチラから話そうとすると
A「いやぁ、この間はとんだことになっちゃって。」
T「いえ、こちらこそ、いろいろすいませんでしたね。」
A「今度ばかりはちょっと激しくやりあっちゃったから、あなたのお父さんにもう口きいてもら
 えないんじゃないかとも思ったんだけど、ついこの間、僕のバンドで出させてもらった時
 にごくごく普通に対応してもらったから、ちょっとホッとしてます。」
T「そうですか。」
A「あなたのお父さんとはこれまでも何度かやりあっちゃったことはあるんだけど、
 そういう時は必ず第3者が誰かいるときなんだよね。
 そうそうそれでね、大体僕は前置きが長くて話してるうちに本題を忘れちゃう。
 ああ、そう、この間のセッションのことなんだけど・・・」
T「ええ、はい。」
A「あなたが僕に、いや僕らに何をさせたかったのか、最初は確かに半信半疑だったけ
 ど、何となく解った様な気がしてね。」
T「はぁ、そうですか。」
A「うん。『僕の選んだメンバーじゃない』っていうのはね、ある意味どういう結果になるか
 正直責任持てません。ってことなんですよ。決して変な意味じゃなくね。だから逆に僕
 らはついつい同じメンバーとばかり一緒に演ってしまうところもあってね。そういう意味
 ではとっても新鮮だったわけ。特にピアノの丈青なんかは普通に演っててもなかなか
 知り合うきっかけがなかったでしょう?」
T「そういうもんですかね?」
A「うん。実は彼とはあの日ちゃっかりお互い連絡先を交換していてね。あなたに紹介し
 てもらったのに断りもなく、他の現場の仕事も頼んだりしてるんですよ。」
T「そんなの気にせずどんどんやってもらった方が・・・」
A「そう?それなら良かった。いやぁ、それでこういう企画は月に1~2本位今後もやった
 らどうかと思ってね。僕以外のミュージシャンにも頼んでみたらいいんじゃないかな?
 勿論、イヤだって言う人も中にはいるかもしれないけど、そうしたらやめればいいじゃ
 ない。」
T「ええ。そうですね。ただ、うちの親父はあの企画は
  あんまりって感じみたいですけどね。」
A「そぉ?僕は縁あってあなたのお父さんに声をかけてもらって、ずっとお宅で演らせて
 もらってるけど、特に80年代の終わりから90年代にかけては、あなたのお父さんは
 自分が出演して欲しいミュージシャンは他所のライヴハウスまで追っかけて聴きに
 行って交渉してたでしょ?だから、当時ホントに第一線で活躍するミュージシャンが
 一つの店のひと月のスケジュールにあれだけ名を連ねていたっていうのは、ちょっと
 他にないと思う。言い方は悪いかもしれないけど、ちょっとマフィアのボスみたいな感じ
 の勢いがあったよね。」
T「そういうもんでしょうか?」
A「うん。それで話は戻るけど、今回のあなたの、自分が気に入ったミュージシャンを集め
 てセッションするっていうとっても贅沢な企画というか発想は、かつてあなたのお父さん
 がやってたことに近いものを僕なんかは感じるんだよね。」
T「そうですかねぇ?全く違う発想だと思うんですけど・・・。」
A「まぁ、あなたはイヤかもしれないけど、『親子だなぁ』って思うんだよね。」
T「う~ん・・・。」
A「いやぁ、兎に角、ありがとうございました。また、声かけてください。」
T「いいえ、こちらこそありがとうございました。でも、ホントにいいんですか?」
A「そりゃぁ、誰でもいいって訳じゃないし、嫌な時はイヤだって言いますよ。
 あんまり頻繁にだとキツイけど、たまに演ると新鮮でいいかなぁ。」
T「わかりました。」
A「今日は僕は演奏前だし時間ないけど、今度、ゆっくり一杯やりながら、また
 話しましょう。どんな音楽好きなのかとか聞いてみたいし・・・。」
T「ええ、勿論です。」

こちらは終始、相槌をうっていただけだが、ホット胸を撫で下ろし安堵した。そしてまた、
「秋山一将」という人と少し打ち解けることが出来た瞬間でもあった。  

text by TASCA-T

次回、第7章~Todd Rundgren×ニック・デカロ~ でまたお会いしましょう・・・

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by tascatasca | 2008-12-24 18:21 | DIG MY STYLE
            「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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得も言われぬ緊張感の中、僕の企てたセッションの1stステージは、1曲目「ジブラルタル」から始まった。
当然ながら4人ともプロフェッショナルなわけであり、いきなり召集されて、打ち合わせて、「せぇーの」で音を出すなどということは日常茶飯事なわけだから、何食わぬ顔で演奏しているし、パッと見には判らないわけだが、4人とも普段自分が観ている感じとはどことなく違っているように見えた。そんなこと気のせいだ!自分の勝手な取り越し苦労であって欲しい!そう自分に言い聞かせながら、始まってしまったものはしょうがない。あとは黙って最後まで見守るより他ないのである。
1曲2曲と曲が進むにつれて、ステージ上でメンバー同士笑みがこぼれ始める。少しはみんな打ち解けてきたのだろうか?と思いつつも未だもって全く余談を許さない状況のまま1stステージ終了。
休憩中、何気なくバンドの座っている席に目をやると4人が談笑する姿が目に飛び込んでくる。このとき初めて少しだけ安堵した。
しばらくして2ndステージが始まる。先ほどより硬さが取れてリラックスした中にも緊張感のあるスリリングなステージが展開されていった。
後日談だが、同じライヴハウスで働くあるスタッフが、「この間の秋山さんと丈青さんが初顔合わせだったセッションよかったよなぁ。秋山さんて、今まで何度も病気をしてて確かに昔ほど指が動かないとかあるんだろうけど、でもステージ上にいるだけで緊張感のある締まった演奏になるのが、流石「秋山一将」なんだよなぁ」
と僕が近くにいると知ってか、独り言なのか判らないが、つぶやいていたのが印象的だった。

兎にも角にも色んな意味で緊張感溢れるセッションは終了し、4人のメンバーと笑顔で握手をかわし、ほっと胸を撫で下ろし、さぁ帰ろうかと思ったとき「秋山一将」に呼び止められる。
「あのぉ、よかったらこれからちょっと一杯行かない?」
『ほぉら、おいでなすった。このまま終わるわけないよな。』と内心思いつつ、ほどなく僕と僕の父親、秋山氏もよく知っているお客さんとその連れのギタリストの卵、秋山氏という5人で近所の居酒屋へ・・・
一体何を言われるんだろうか?もうこういうのは勘弁してくれ!なのか?楽しかったよ!またやろう!なのか? こうなると考えてもしょうがない。逆に「秋山一将」という人と始めてゆっくり話が出来るいいチャンスだと思っていた。

ところがだ、「悪の秘密組織・ジャズ」の首領である疑い濃厚な自分の父親は、席に着くなり開口一番「秋山、今日は悪かったな。最初に『今日は僕の選んだメンバーじゃない』って言ってたし、随分やりにくかったんだろう?本当は嫌だったんじゃないの?」
「いやぁ、そんなことないですよ。嫌だったら頼まれた時点で断るし・・・」と秋山氏がかえし、自分の入る隙もなく会話が展開されてゆく。暫し状況を見守ることにする。
するとどういうわけだか、父親、知り合いのお客さん、秋山氏の間で単に呑みの場の会話がやがて口論へと発展し、恐ろしく歪なトライアングルを形成し、更にヒートアップしてゆく。
こうなるともう手のつけようがない。ただただ、事態を見守るばかりである。
なぜなら、この魔のトライアングルに不用意に加われば、それは歪な四角形へと変形し単純に事態を悪化させ、逆に「まぁまぁ」となだめようとすれば、今度は父親から「何が、まぁまぁなんだ!お前!客観的に聞いてれば誰が正しいか判るだろう!」と親子喧嘩が勃発することは必至だと思ったからである。
そうこうするうちに「これ以上話しても仕方がない。帰る!」といって父親が会計を済まし、店を出行き、想定していた「秋山一将」との会話は、「悪の秘密組織・ジャズ」によって見事に粉砕されたのであった。所謂一つの「最悪の結末」であった。          
text by TASCA-T

次回、第6章~ちょっと話があるんだけど~ でまたお会いしましょう・・・

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by tascatasca | 2008-12-21 19:32 | DIG MY STYLE
            「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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「悪の秘密組織」の一員として父親の経営するライヴハウスで働きはじめ、出演するミュージシャンとも徐々に顔なじみになってきていた僕は、ブッキングの一部を担当するようになる。
そのころになると「秋山一将」という一人の出演者と会えば笑顔で挨拶を交わし、シェイクハンドするくらいにはなっていた。
オープン当初より長きに亘って行われてきたブッキングとは、リーダーとなるミュージシャンに連絡し、形態がトリオなのかカルテットなのか?メンバーは誰なのか?全てリーダーに任せて決めてゆくというのが通常となっていた。
別にそれが悪いとは思わなかったが、毎日聴いていると、ベテラン、若手問わず個々に気になるプレイヤーというのが当然出てくるわけである。そうすると自ずとあの楽器はこの人で、あの楽器はこの人etc.という組合せで演奏したらどうなるんだろう?という至って素人考えな興味が湧いてきて、どうしても己の頭の中で構築されてしまった組合せを実践してみたくなる。
でも一体こんなこと誰が引き受けてくれるだろうか?まず誰に頼んでみようか?と考えた時、最初に思い浮かんだ名前が「秋山一将」だった。数日後、会えば挨拶こそするものの、ろくに話したこともない「秋山一将」という人に無謀にも電話をかける。

TASCA-T(以下T)
「あの、秋山さんですか?○月のブッキングの件でお電話したんですが・・・」
秋山一将(以下A)
「あぁ、どうも。○月ならまだそんなに予定詰まってないから日にちを言ってもらえば・・・。
トリオにします?4人でやっていいなら一人管楽器を入れたいんだけど・・・。」
T「ええ、実は今日お電話したのは、秋山さんのリーダー・バンドのお願いじゃないん
  です。秋山さんに僕の選んだメンバーとセッションしてもらいたいんですが・・・。」
A「・・・僕のリーダーバンドじゃダメですか?・・・クビってことなんでしょうか?」
T「いいえ、そういうことじゃないんです。レギュラーでお願いしている秋山さんのリーダー
  バンドに関してはいつも電話してる人間から、また連絡が行くと思います。それとは全
  く別の新たな試みで、普段一緒に演らない人とセッションしてもらいたいんです。
  勿論メンバーにもよると思いますから、ご相談できないかと・・・」
A「そういうことですか・・・。因みに誰と演れっていうの?」
T「ピアノは佐藤丈青さん。ベースは坂井紅介さん。ドラムが井上功一さんというメンバー
  でお願いできないかと・・・」
A「紅介と井上は勿論知ってるけど、ピアノの人は知らないなぁ。
  誰と演ってる人ですか?」
T「オマ鈴(鈴木勲)さんのバンドで弾いてる若いピアニストです。」
A「へぇ。オマさんとこの。それで他の人達は何て言ってるの?」
T「いいえ。まだ連絡してません。まず秋山さんに意見を聞いてみようと思って・・・
  皆さんの意見もスケジュールもこれからです。無理にお願いしようというものではない
  んです。ただ、普段と違うこともやってみたいというこちらのワガママです。」
A「まるほど・・・。他の人がいいなら僕はかまいませんよ。」
T「ありがとうございます。それでは他のメンバーの方に確認が取れたら連絡しますので、
  可能な日程をいくつか候補でいただけませんか?」
A「はい。じゃぁ○日と○日あたりでどうでしょう?」
T「わかりました。では、改めてご連絡します。」
A「はい。それじゃぁ。」

実に坦々としたやりとりであった。程なく他のメンバー(4人4様だがほぼ同じようなやりとりだった)の確認も取れたが、ドラムの井上功一さんのみスケジュールがあわず、結局セシル・モンローさんにお願いした。セシルさんは日本語が喋れるのは知っていたが、彼に連絡する時が一番緊張していた。電話すると案の定、英語で喋り始めたが「もしもし。もしもし。」を連発してコチラがニッポンジンであることを猛アピールしたことはいうまでもない。
兎にも角にもメンバー4人が決り、当日がやって来た。
ステージでフロントに位置する事実上のセッション・リーダー「秋山一将」の口から放た
れた「皆さん。ようこそいらっしゃいました。今日は僕の選んだメンバーじゃないので
どういうことになるか判りませんが、お店の企画で集められたメンバーでお送りします。
メンバーを紹介します。ピアノはええと名前なんだっけ?ああ、佐藤丈青。
ベース坂井紅介。ドラム、セシル・モンロー。兎に角何か演ります。」
という第一声で緊張の1stステージは幕を開けた・・・         text by TASCA-T

次回、第5章~最悪の結末?~ でまたお会いしましょう・・・

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by tascatasca | 2008-12-16 18:34 | DIG MY STYLE
             「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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3年の月日が経過し、福岡営業所から東京の本社勤務となった僕は、また以前のように「悪の秘密組織・ジャズ」のアジトに出入りするようになる。
ある時、「峰 厚介クインテット」の演奏を聴いた。そのとき聴いた「Red Vest」という曲にまたしても「衝撃」を受けた。その音圧、演奏内容、全てに圧倒された。物凄く硬質でアヴァンギャルドな演奏をする集団という印象だった。そのメンバーの一人にギタリスト「秋山一将」はいた。声をかけるのはおろか何とも近寄りがたい、そんな雰囲気が漂っていた。かつて家に来ていた酔っ払いではない、ミュージシャン「秋山一将」の第一印象に他ならなかった。
記憶が定かではないが、その後は顔を合わせれば、軽く会釈する程度にはなっていたかもしれない。しかし、まだこの時点でも、「秋山一将」という人が、「悪の秘密組織・ジャズ」の幹部なのか、「ライダー」なのかは判明していなかった。
段々と仕事が多忙を極め、なかなかアジトに出入りする時間がなくなり、更にかなりの年月が経過する。秋山氏と再会するのは、職を何度か転々とし、「悪の秘密組織」の一員として父親の経営するライヴハウスで働くようになってからだった。
そんなある日のこと、妙に耳になじみのある音楽が店内にBGMとして流れていた。
何ていうスタンダード・ナンバーなのかと思い、かかっていたCDのジャケットを手に取ると「JAZZ GUITARISTS WHO'S WHO VOL.2」とタイトルが記されていた。CDプレイヤーで何曲目かを確認し、クレジットを見ると「ASKING FOR THE ANSWER」という曲名とともに目に飛び込んで来たのは作曲者 (KAZUMASA AKIYAMA)の文字だった。
皆さんも経験ないだろうか?「あぁ、これどっかで聴いたことあるような気がするけど、何だったっけ?」と思いつつも思い出せないこと・・・
とうとう思い出せずにそんな曲があったことすら忘れてしまったある日、何気なく口ずさんでいたのが、例の「何だったっけ?」だったりしてハッとしたことはないだろうか?
所謂「デジャヴ」というやつである。僕はこうした「デジャヴ」体験をもたらす事は大衆音楽における良質な楽曲の1つの条件だと思うのである。
その後も、「秋山一将」という人の音楽に対して、こうした「デジャヴ」をライヴの現場で度々体験することとなる。ライヴ中に突然やってくる「あれっ、これ何だっけ?」という感覚に対して答えを見つけることが出来ず、曲が終わって「今のは、僕の曲で・・・」という「秋山一将」のMCに驚かされたことは一度や二度ではない。
同時にミュージシャン「秋山一将」に対して抱いていた第一印象が音を立てて崩れ始めていた。『もしかしたらこの人は「ライダー」なのかもしれない。』とすら思い始めていた。          
 
text by TASCA-T

次回、第4章~僕の選んだメンバーじゃない~ でまたお会いしましょう・・・

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by tascatasca | 2008-12-13 19:13 | DIG MY STYLE
DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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「悪の秘密組織・ジャズ」の魔の手から逃れるべく、少しずつライヴハウスへの出入りする回数が減っていったのは言うまでもないのだが、ただ、全く無縁になってしまうこともなかった。恐らくその頃だってすれ違ったり、顔を合わせていたりしたであろう「秋山一将」という一人のミュージシャンをちゃんと認識するのは、更に数年の月日が経過した後である。
僕はそのころ一端の会社員、所謂サラリーマンというやつになっていた。良くも悪くも「悪の秘密組織・ジャズ」の恩恵を受けてか音楽系の仕事に就いたわけだが、入社当時は営業職だったため、朝は早く、夜は長引くと遅いという生活を送っていた。ある時、珍しく早めに床についた僕は、何とも賑やかな物音に目を覚ます。時間は既に午前3時をまわっていたと思う。
一軒家の二階で休んでいたのだが、階下からは、夜中だって言うのにレコードの音がガンガン鳴っていた。眠い目を擦りながら扉を開けると、そこでは自分の父親と峰 厚介さんともう一人明らかにミュージシャンと思しき人物がいて大宴会になっていた。
「ああ、これうちの長男」とかいって紹介され、眠かったので相当無愛想に受け答えしたように記憶している。翌朝、出勤する準備のため一階に降りると、彼らはまだ居て、すっかり沈静化されたものの宴会の残骸を残したままのリビングで3人がオブジェと化していた。
徐に目を覚ました峰さんに「あんちゃん。タバコ1本くれない?」と言われたのは憶えている。
後日、父親に「峰さんはわかったけど、もう一人居た人誰?」と尋ねると「何言ってんだお前、秋山一将に決ってんだろ!」と言われ、『あの人が「秋山一将」なのか!』とそこで初めてちゃんと認識した次第である。ただ、まだその時は「秋山一将」という人が「悪の秘密組織・ジャズ」の幹部なのか「ジャズ」の改造手術を受けながらも、組織を裏切り、組織と戦う仮面ライダーのような味方なのかは知る由もなかった。その数ヵ月後、僕は九州に転勤となり3年ほど東京を離れることになる。

後日談だが、
『あの時、この人は俺とは住む世界の違う人だな』
と秋山さんは秋山さんで僕のことを思っていたらしい・・・

text by TASCA-T

次回、第3章~デジャヴ~ でまたお会いしましょう・・・


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by tascatasca | 2008-12-10 14:25 | DIG MY STYLE
           「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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僕自身、このようなジャズの復刻をやっているので、さぞジャズ好きな人間かと思いきや、
実はそれがそうでもない。勿論嫌いなわけでもない。好きで聴く音楽の1つである。
父親が好きで聴いていたが、それを横で聴いていて興味を持ったという記憶はない。
初めて認識したのは、学生時代、父親が江戸時代から3代続いた甘味処をぶっ潰し、銀行の口車に乗ってビルを建て、その最上階でJAZZのライブハウスを始めるという暴挙にでたことに起因する。はじめは一体なんてことするんだろう?と思ったが、しばらくすると、音楽は嫌いではなかったので、時々出入りするようになる。
ロック、ポップスにしか興味のなかった自分にとって、初めて聴いた「峰 厚介」「本田竹廣」「益田幹夫」「辛島文雄」はたまた「鈴木良雄」「山本 剛」etc.といった方たちの演奏は、各々赴きは違いながらも「衝撃」という言葉以外では言い表せないものだった。
JAZZだとか、ロックだとかそんなことはどうでもよくなってしまうほど、間近で聴き、目の当たりにする「生演奏」というものが何ものにも代えがたい「興奮」と「感動」を呼ぶものだということを改めて認識させられたのである。「これがJAZZというものなのか?」とも思った。

自分の中の「興味」の対象として徐々に肥大していった「JAZZ」は、時折気に入ったものを見つけるとレコードやCDを買うという行動をとるまでになっていった。
そんなある時、父親を筆頭に「ジャズ好き」という天下の御旗を掲げた数名の常連客との連合軍にたまたまその場に居合わせた数名のミュージシャンを護衛につけて言い放たれた言葉は「お前は今にジャズしか聴かなくなる」だった。「お前の聴いてるロックだとかポップスなんかより、技術的にも全てにおいて優れているんだから、知れば知るほどそうなるに決っている」とまで言われた。
そして、また「これがジャズというものなのか?」とも思った。
同時に「二度とそんなジャズは聴くもんか」と思った。
「ジャズ」という「ショッカー」に勝るとも劣らない「悪の秘密組織」が自分の前に立ちはだかった瞬間であった。

text by TASCA-T

次回、第2章~敵なのか見方なのか~ でお会いしましょう・・・


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by tascatasca | 2008-12-07 17:23 | DIG MY STYLE