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by tascatasca
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DIG MY STYLE 第5章~最悪の結末?~

            「DIG MY STYLE / 秋山一将」絶賛発売中!!
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得も言われぬ緊張感の中、僕の企てたセッションの1stステージは、1曲目「ジブラルタル」から始まった。
当然ながら4人ともプロフェッショナルなわけであり、いきなり召集されて、打ち合わせて、「せぇーの」で音を出すなどということは日常茶飯事なわけだから、何食わぬ顔で演奏しているし、パッと見には判らないわけだが、4人とも普段自分が観ている感じとはどことなく違っているように見えた。そんなこと気のせいだ!自分の勝手な取り越し苦労であって欲しい!そう自分に言い聞かせながら、始まってしまったものはしょうがない。あとは黙って最後まで見守るより他ないのである。
1曲2曲と曲が進むにつれて、ステージ上でメンバー同士笑みがこぼれ始める。少しはみんな打ち解けてきたのだろうか?と思いつつも未だもって全く余談を許さない状況のまま1stステージ終了。
休憩中、何気なくバンドの座っている席に目をやると4人が談笑する姿が目に飛び込んでくる。このとき初めて少しだけ安堵した。
しばらくして2ndステージが始まる。先ほどより硬さが取れてリラックスした中にも緊張感のあるスリリングなステージが展開されていった。
後日談だが、同じライヴハウスで働くあるスタッフが、「この間の秋山さんと丈青さんが初顔合わせだったセッションよかったよなぁ。秋山さんて、今まで何度も病気をしてて確かに昔ほど指が動かないとかあるんだろうけど、でもステージ上にいるだけで緊張感のある締まった演奏になるのが、流石「秋山一将」なんだよなぁ」
と僕が近くにいると知ってか、独り言なのか判らないが、つぶやいていたのが印象的だった。

兎にも角にも色んな意味で緊張感溢れるセッションは終了し、4人のメンバーと笑顔で握手をかわし、ほっと胸を撫で下ろし、さぁ帰ろうかと思ったとき「秋山一将」に呼び止められる。
「あのぉ、よかったらこれからちょっと一杯行かない?」
『ほぉら、おいでなすった。このまま終わるわけないよな。』と内心思いつつ、ほどなく僕と僕の父親、秋山氏もよく知っているお客さんとその連れのギタリストの卵、秋山氏という5人で近所の居酒屋へ・・・
一体何を言われるんだろうか?もうこういうのは勘弁してくれ!なのか?楽しかったよ!またやろう!なのか? こうなると考えてもしょうがない。逆に「秋山一将」という人と始めてゆっくり話が出来るいいチャンスだと思っていた。

ところがだ、「悪の秘密組織・ジャズ」の首領である疑い濃厚な自分の父親は、席に着くなり開口一番「秋山、今日は悪かったな。最初に『今日は僕の選んだメンバーじゃない』って言ってたし、随分やりにくかったんだろう?本当は嫌だったんじゃないの?」
「いやぁ、そんなことないですよ。嫌だったら頼まれた時点で断るし・・・」と秋山氏がかえし、自分の入る隙もなく会話が展開されてゆく。暫し状況を見守ることにする。
するとどういうわけだか、父親、知り合いのお客さん、秋山氏の間で単に呑みの場の会話がやがて口論へと発展し、恐ろしく歪なトライアングルを形成し、更にヒートアップしてゆく。
こうなるともう手のつけようがない。ただただ、事態を見守るばかりである。
なぜなら、この魔のトライアングルに不用意に加われば、それは歪な四角形へと変形し単純に事態を悪化させ、逆に「まぁまぁ」となだめようとすれば、今度は父親から「何が、まぁまぁなんだ!お前!客観的に聞いてれば誰が正しいか判るだろう!」と親子喧嘩が勃発することは必至だと思ったからである。
そうこうするうちに「これ以上話しても仕方がない。帰る!」といって父親が会計を済まし、店を出行き、想定していた「秋山一将」との会話は、「悪の秘密組織・ジャズ」によって見事に粉砕されたのであった。所謂一つの「最悪の結末」であった。          
text by TASCA-T

次回、第6章~ちょっと話があるんだけど~ でまたお会いしましょう・・・

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by tascatasca | 2008-12-21 19:32 | DIG MY STYLE